SAHO TERAO / 寺尾紗穂

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大岐の浜のこと

高知の友人から土佐清水市の大岐の浜のメガソーラー建設についての問題を教えてもらった。

メガソーラーは大規模太陽光発電。再生可能エネルギー。

悪いイメージがある人はあんまりいない。

けれど、一軒家の屋根に数枚ついているソーラーとちがって

メガソーラーは、規模が大きい。

それをどういう場所に作るか、ということによって

周囲への影響が大きいらしいということがちょっと調べてみると分かってきた。


大岐の浜は、世界的にみても生物の種類が豊かな透明度の高い

貴重な浜のようだけれど、メガソーラー設置で何が問題になってくるのか。

問題は、浜の近くの山を削って、その土砂が雨のたび流れ込むということらしい。

でもそれってそんなに深刻なことになるのだろうか。


実は土佐清水市の緑ヶ丘という場所ではすでに設置が始まっており

近くの清水港が真っ茶色になっている写真がこのサイトに上がっている。


土佐清水市議の岡本詠さんに現在の清水港について問い合わせてみると

水の茶色っぽさはひいてきたものの、

海藻に泥がつき魚が減ってしまったとか

港のいけすの鯖も5回も全滅しているという話で

除草剤を使っているだろうとのこと。


メガと名のつくものの裏には大きなお金が動くし

太陽光発電と掲げれば、大きな反対も起きない。

むしろ歓迎ムードが社会全体にある。


けれど、そういう勢いの裏で本来一番慎重になされなくてはならない

建設地の調査や、建設後の環境への影響を調べることがかなり

おざなりになっている感がある。

多分、日本のあちこちでそういうことが起きているんじゃないだろうか。

(この間の鬼怒川の氾濫でもメガソーラー設置で

自然堤防を切り崩したことも関係していると報道されていた)


設置者の多くは、その土地に暮らす人々ではない。

その土地に生業を持ち、自然を相手に暮らす人々ではない。

本来はその影響をもろに受ける人たちの声を拾ってから

建設されるべきだと思うのだが、

すでに緑ヶ丘のような状況が生まれてきてしまっている以上

大岐の浜の自然を守るために、設置で何が起きていくのかという

情報を広く伝えていかなくてはいけないと思う。


土佐清水市で取材させてもらった元東電社員の木村俊雄さんに電話してみると

すでにこの問題でも動いていて経産省へのアプローチなどを始めているとのことだった。


現在は東電を辞め自給自足の生活を営んでいる木村さんについて

私は、《最も進んだ現代人》だと思っているのだけれど、

彼の住む久百々という地名はクモモと読み、シマント(四万十)と共に

古いアイヌ語の響き、縄文の響きを今に伝えているのだという。


いつまでもそういう響きの似合う土地であってほしいし、

そういう自然を愛する人の暮らす土地であってほしい。


高知の血をわずかにひく者として、

遠く東京から、そう願っています。


⚫️大岐のメガソーラーについてのネット署名はこちら

追記

土佐清水市議の岡本詠さんは安保法制に反対して土佐清水の自民党から除名された気骨ある市議さんのようです。少数者となる覚悟、これから多くの人に求められていく時代になる気がします。